小学算数では円の問題が出されます。丸い形をした図形が円です。円の図形では、円周の長さと円の面積を問われます。この計算をするためには円周率を利用しなければいけません。初めて円を学ぶ場合、円周率とは何かを理解しましょう。
円にはさまざまな種類の長さがあり、その一つに半径があります。半径が分かれば、円周の長さや円の面積を計算することができます。
円周の長さや円の面積を計算する場合、公式を利用しなければいけません。つまり公式を覚えていない場合、問題を解くことができません。
そこで、どのように考えて円周の長さと円の面積を計算すればいいのか、また円周率とは何かを解説していきます。
もくじ
円で重要な言葉を理解する
丸い形をしている図形にはいくつもの種類があります。以下はすべて丸い形をしています。
小学校の算数で学ぶ丸い図形は円です。上図にある形のうち、左にある図形を円といいます。また円の問題を解く場合、以下の重要な言葉を覚えるようにしましょう。
- 円周:円の周り
- 中心:円の真ん中にある点
- 半径:中心から円周まで引いた線
- 直径:中心を通り、円周から円周まで引いた線
これらの言葉がひんぱんに利用されます。また半径や直径は私たちの生活でもひんぱんに利用される言葉です。そのため、その言葉が何を意味するのか覚えるようにしましょう。
円周率とは何か:3.14の数字
先ほどの言葉に加えて、円の問題を解くときは円周率について学ぶ必要があります。円周率とは何でしょうか。円周率とは、円周の長さを円の直径でわった値です。
古代エジプトの数学者は円周と円の直径に関係性があることをすでに知っていました。彼らは以下のように、円周の長さを測定しました。
今回はピンクのやわらかいヒモを使って円周の長さを測定しています。次に、円の直径を調べます。以下のように、円の中心を通る線の長さを調べます。
その後、円周の長さを円の直径でわります。
- 円周の長さ÷円の直径
こうして出てきた値が円周率です。すべての円では、円周率が同じです。円周率は以下のようになります。
- 円周率=3.14159…
円周率は永遠と数字が続いていきます。そこで、小学校の算数では「円周率=3.14」と考えて計算します。
円周の長さを円の直径でわるとき、たまたま出てきた数字が円周率です。また前述の通り、すべての円で円周率が同じです。円周率とは、円がもつ性質の一つと理解しましょう。
直径と円周率を利用し、円周を計算する
円周率を理解すれば、直径を使うことによって円周を計算することができます。円周の長さと円の直径を利用することによって、円周率を計算できることを解説しました。これは、直径と円周率を利用することによって円周を計算できることを意味しています。
円周の長さを計算するとき、以下の公式を利用しましょう。
- 円周の長さ = 直径 × 3.14(円周率)
このように、直径と円周率をかけると円周の長さを求めることができます。
なお、半径を2倍すると直径になります。そのため半径が分かっている場合、円周を計算することができます。半径を2倍したあと、3.14(円周率)をかけることによって円周の長さがでます。
- 円周の長さ = 半径 × 2 × 3.14(円周率)
いずれにしても、直径または半径が分かっていれば円周の長さを計算できることを理解しましょう。
円周の長さから、直径を計算する
また直径と円周率を利用して円周の長さを計算できるというのは、円周の長さを利用して直径を計算できることを意味しています。かけ算というのは、わり算と意味が同じです。例えば、\(☐×2=6\)は以下のように変えることができます。
- \(☐=6÷2\)
同じように、円周を計算する公式を変えてみましょう。直径を\(☐\)とすると、以下の式になります。
- 円周の長さ = \(☐\) × 3.14(円周率)
この式を変えると、以下のようになります。
- \(☐\) = 円周の長さ ÷ 3.14(円周率)
つまり円周の長さをだす公式を覚えていれば、円周から直径を計算することができます。また直径を半分にすると半径になるため、円周から半径を計算することもできます。
イコールをもつ式では、「同じ数を利用して両辺をかけるまたはわってもいい」という性質があります。そこで円周をだす公式について、両辺を3.14でわりましょう。そうすれば、「円周をだす公式」を「直径をだす式」に変えることができます。
半径と円周率を利用し、円の面積を計算する
なお円周率を利用する計算では、もう一つ重要な公式があります。それが円の面積の公式です。円周率を利用することによって、円の面積を計算することができます。
円の面積をだす公式は以下になります。
- 円の面積 = 半径 × 半径 × 3.14(円周率)
このように半径と円周率を利用することによって、円の面積を計算できます。円の面積をだす公式は必ず覚えるようにしましょう。
円の面積から、円の半径を計算する
なお半径を利用して円の面積をだすことができるというのは、円の面積を利用することによって円の半径を計算できることを意味しています。半径を\(☐\)とすると、円の面積は以下の計算式になります。
- 円の面積 = \(☐\) × \(☐\) × 3.14
そこで、この式を以下のように変えましょう。
- \(☐\) × \(☐\) = 円の面積 ÷ 3.14
例えば円の面積が50.24cm2の場合、半径はいくらでしょうか。\(50.24÷3.14=16\)です。つまり、2つの同じ数字をかけるとき、16になる値をみつけましょう。そうすると、4が答えであると分かります。つまり円の面積が50.24cm2の場合、半径は4cmです。
なぜ半径と円周率を使って円の面積をだせるのか
それでは、なぜ半径と円周率を利用することによって円の面積を計算することができるのでしょうか。この理由を理解するため、以下のように円を細かく分けましょう。
その後、以下のように円のパーツを並べてみましょう。
その結果、以下のように平行四辺形を作ることができます。
厳密にいうと、でこぼこしているので平行四辺形ではありません。ただ円を非常にこまかく分けていく場合、でこぼこがほとんどなくなって無視できるようになり、平行四辺形を作ることができます。また高校数学で学ぶ積分を利用すれば、この考え方によって円の面積を出すことができます。
そうしたとき、平行四辺形のたての長さは半径です。一方、横の長さは「半径×3.14」です。図を確認すると、オレンジ色の円(半円)の円周は以下のようになります。
- 半円の円周=直径 × 3.14 ÷ 2
半径を2倍すると直径になります。そのため、半円の円周は「半径×3.14」です。
- 半円の円周=半径 × 2 × 3.14 ÷ 2 = 半径 × 3.14
また先ほどの図を確認すると、オレンジ色の円(半円)の円周が平行四辺形の横の長さになっていることがわかります。そこで平行四辺形のたて(半径)と横(半径 × 3.14)をかけると、面積をだすことができます。そうすると、円の面積をだす公式と同じになります。
こうして、円の面積を求める公式をだすことができます。よりくわしく理解したい場合、積分を学んだあとに証明してみましょう。
円周の長さと円の面積を計算する
円に関する図形問題はひんぱんにだされます。円周率を利用することによって、円周の長さや円の面積を計算するのです。
円周を計算するためには、円周を計算する公式を覚えている必要があります。また公式を理解している場合、円周を利用して直径や半径を計算することができます。
同時に円の面積を計算する公式を覚えましょう。半径と円周率を利用することによって、円の面積を計算することができます。また、なぜ円の面積をだす公式が成り立つのか理由を学びましょう。
円周や円の面積の公式はひんぱんに利用されます。また、円に関する計算問題は多いです。そこで2つの公式を覚え、使えるようにしましょう。