正確せいかくな数字を使うのではなく、大まかな数字を利用することはよくあります。おおよその数といわれますが、日常生活にちじょうせいかつでザックリとした数字を使うことは多いです。

このとき利用される考え方が四捨五入ししゃごにゅうです。四捨五入をすることによって、大まかな数字を使うようにするのです。

なぜ、正確な数字ではなく大まかな数字を利用する必要ひつようがあるのでしょうか。また、小学算数でどのように四捨五入をすればいいのでしょうか。四捨五入のやり方を解説かいせつしていきます

日々の生活で概数を使う理由

おおよその数を概数がいすう(がい数)といいます。なぜ、概数を利用するのでしょうか。それは、概数を使うほうが都合つごうのよい場面がたくさんあるからです。

たとえば、あなたが住んでいる都市としの人口は何人でしょうか。住む都市によって人口はことなりますが、30万人や100万人など、それぞれの街に人が住んでいます。

それでは、なぜ「人口は101万2948人です」などのように正確にいうことがないのでしょうか。正確な数字であらわすほうがいいように思えてしまいます。ただ、正確な人口を把握はあくすることはできません。引越ひっこしをすることによって人は移動いどうするため、人口は日によってちがうからです。

ただ正確な人口はわからなくても、おおよその人口であればわかります。そこで、正確な数ではなく概数によって人口をしめすのです。

また、話の内容をわかりやすくするために概数を使うことも多いです。たとえば「この車の値段は132万1953円です」といわれるよりも、「この車は約132万円です」といわれるほうがわかりやすいです。下のケタを無視むしすることによって値段ねだんを理解しやすくなります。

このように、概数は多くの場面で利用されます。そこで、四捨五入を算数で学ばなければいけません。

四捨五入によって数を切り下げる、または切り上げる

それでは、どのように四捨五入をすればいいのでしょうか。四捨五入では、数字をゼロにします。より正確にいうと、数字を簡単かんたんに表します。

このとき四捨五入では、以下の数をゼロにします。

  • 0、1、2、3、4

たとえばイベントの参加者さんかしゃが51240だったとします。このとき、「参加者は5万人だった」といわれることが多いです。これは、以下のように数字を四捨五入したからです。

0~4の数字では、このように四捨五入によって数字をゼロにして、おおよその数にしてしまいます。これを四捨五入では、「数字を切り下げる」といいます。新聞しんぶんやニュースでは、こうした四捨五入がよく使われます。

それにたいして、四捨五入する数字が5~9のときはどうすればいいのでしょうか。この場合、一つ大きい数字に変えます。

たとえば、イベントの参加者が58493人だったします。この場合、「参加者は6万人だった」ということができます。以下のように、四捨五入することで数字を簡単に表します。

数字が5~9であれば、このように左の数字を一つ大きくします。四捨五入では、これを「数字を切り上げる」といいます。

四捨五入するとき、対象たいしょうの数字が0~4なのか、それとも5~9なのかで区別くべつしましょう。切り下げるのか、それとも切り上げるのかは対象となる数字の大きさで変わります。

実際の四捨五入のやり方

それでは、実際に四捨五入するときはどのようにすればいいのでしょうか。数字のうち、どの箇所かしょについて四捨五入するのかはあなたの自由です。

たとえば58493であれば、以下のように四捨五入する箇所によって概数(おおよその数)がちがってきます。

そこで、どの数字を四捨五入するのか事前じぜん確認かくにんしましょう。

四捨五入して、~の位までの概数にする

算数の問題では、四捨五入する場所を指定されます。そこで、四捨五入する場所がどこなのか理解しなければいけません。

四捨五入するとき、「四捨五入して、~の位までの概数にする」と問われることがあります。たとえば、以下のようになります。

  • 24685を四捨五入して、百の位までの概数にしましょう

この意味は「十の位を四捨五入しましょう」になります。つまり、以下のようにします。

つまり、一つ下の位に着目しましょう。参考さんこうまでに、24685について四捨五入すると以下のようになります。

  • 24685について、万の位までの概数:20000
  • 24685について、千の位までの概数:25000
  • 24685について、百の位までの概数:24700
  • 24685について、十の位までの概数:24690

四捨五入して大まかな数にするとき、どの位を四捨五入すればいいのか確認しましょう。

四捨五入して、上から~ケタの概数にする

また四捨五入をするとき、位に着目ちゃくもくするのではなく、上からのケタ数に着目することがあります。つまり、「大きい位から3番目のケタを四捨五入する」などのようにします。ケタについて、左から右へ数えるようにするのです。

このとき「四捨五入して、上から~ケタの概数にする」と表現します。たとえば、以下のようになります。

  • 54827を四捨五入して、上から2ケタの概数にしましょう

この意味は「左から3番目の位を四捨五入しましょう」となります。上から2ケタの概数とは、左から2番目の数字を意味します。そこで以下のように、左から3番目の数字を四捨五入しましょう。

このように、一つ下のケタ数に着目しましょう。一つ下のケタの数字を確認し、四捨五入することで答えを出すことができます。

参考までに、54827について四捨五入すると以下のようになります。

  • 54827について、上から1ケタの概数:50000
  • 54827について、上から2ケタの概数:55000
  • 54827について、上から3ケタの概数:54800
  • 54827について、上から4ケタの概数:54830

このようにして四捨五入をしましょう。

小数点のある数字の四捨五入をする

一方で小数点のある数字の四捨五入をしなければいけないこともあります。小数点のある数字はどのように四捨五入すればいいのでしょうか。

小数点がある場合、四捨五入する場所を間違まちがえないようにしましょう。たとえば、以下の問題ではどのように四捨五入すればいいでしょうか。

  • 2.4735について、小数第二位を四捨五入する

この場合、小数点から二番目の数字を四捨五入しましょう。小数点から一つの右の数字を残すという意味になります。以下のようになります。

参考までに、2.4735について四捨五入すると以下のようになります。

  • 2.4735について、小数第一位を四捨五入:2
  • 2.4735について、小数第二位を四捨五入:2.5
  • 2.4735について、小数第三位を四捨五入:2.47
  • 2.4735について、小数第四位を四捨五入:2.474

このようにして、小数を四捨五入していきます。

数字の四捨五入をして、おおよその数を作る

概数は日常生活でひんぱんに利用されます。新聞やニュースなど、多くの数字はおおよその数として発表はっぴょうされます。正確な数字をだす意味はなく、概数であれば私たちは理解しやすいです。

そこで、四捨五入の意味を理解しましょう。また、どのように四捨五入すればいいのかも学ぶ必要があります。

算数の問題を解くとき、どの部分を四捨五入すればいいのか確認しましょう。正しい場所を四捨五入することによって、答えをだすことができます。