図形を平面ではなく、立体で考えることが数学ではひんぱんにあります。事実、私たちの身の回りにあるものは立体です。
そこで、立体の図形の大きさを計算できるようにしましょう。小学校の算数では、立体図形の大きさを計算するために必要な公式を学びます。また、立体図形の大きさを体積といいます。公式を利用すれば、体積を計算できるようになります。
そこで、まずは立方体と直方体の体積を計算しましょう。そうすれば、容積についてもわかるようになります。ここでは、立方体と直方体の体積・容積を計算する方法を解説していきます。
もくじ
立方体・直方体とは何か
まず、立方体と直方体とは何かを理解しましょう。立方体とは、6つの正方形で囲まれた立体です。また直方体とは、6つの長方形で囲まれた立体です。
以下が立方体と直方体になります。
このような図形の大きさを計算できるようにしましょう。
立方体・直方体の体積の計算方法
体積とは、立体の大きさと理解しましょう。たてと横だけでなく、高さをもつ立体の大きさを計算することになります。
立方体・直方体の体積を計算するとき、以下の公式を利用しましょう。
- 立体の体積 = たて × 横 × 高さ
例えば、以下の立方体や直方体の体積はいくらでしょうか。
立方体の場合、すべての辺の長さが同じです。そこで、同じ数を3回かけましょう。辺の長さが3cmのため、立方体の体積は以下のようになります。
- \(3×3×3=27\)
このように、答えは27cm3になります。面積では辺の長さを2回かけるため、単位はcm2です。一方、体積の計算では辺の長さを3回かけるため、単位はcm3になります。
次に、直方体の体積を計算してみましょう。直方体では、長方形の辺の長さが異なります。そこで、たて・横・高さをそれぞれかけるようにしましょう。以下のようになります。
- \(4×3×2=24\)
こうして、直方体の体積が24cm3になるとわかります。
容積の計算:立体に入る水の容積
体積を理解した後、容積を学びましょう。容器に液体(水など)をそそぐとき、いくらの液体が入るのかを表すのが容積です。体積と容積は同じがいねんであり、利用する公式も同じです。
体積を計算するとき、たて・横・高さをそれぞれかけました。容積を計算するときについても、容器のたて・横・高さをそれぞれかけるようにしましょう。
この場合、容積は以下のようになります。
- \(15×8×10=1200\)
こうして、この容器には1200cm3まで水が入ると計算できます。なお1Lは1000cm3なので、「この容器には1.2Lの水が入る」と表現することもできます。
体積と容積が異なるケース
前述の通り、体積と容積の公式は同じです。しかし実際には、体積と容積が異なるケースがあります。容器には厚みがあるからです。
例えば、以下の容器の体積と容積はいくらでしょうか。
体積とは、容器全体の大きさです。そこで、容器の外側の長さをかけましょう。横8cm、たて6cm、高さ5cmのため、体積は以下のようになります。
- \(8×6×5=240\)
一方、容積はどのように計算すればいいのでしょうか。容積では、いくら水を入れることができるのかが重要です。水を入れることができるのは、容器の内側だけです。そこで、容器の内側の長さをかけましょう。横6cm、たて4cm、高さ4cmのため、容積は以下のようになります。
- \(6×4×4=96\)
こうして、体積と容積を計算することができました。容器に厚みがある場合、体積と容積が異なることを理解しましょう。
なぜ体積・容積を計算できるのか
それでは、なぜたて・横・高さをかけることによって体積や容積を計算することができるのでしょうか。この理由を確認していきましょう。
まず、辺の長さが1cmの立方体の体積はいくらでしょうか。
辺の長さがすべて1cmであるため、この立方体の体積は1cm3です。それでは、この立方体を以下のように並べるときの体積はいくらでしょうか。
立方体が合計で12個です。そのため、12cm3であるとわかります。ただ、立方体の数を一つずつ数えるのは面倒です。そこで、計算によって体積を出しましょう。
辺の長さがすべて1cmの立方体に対して、上図の直方体では高さが同じであるものの、たてと横の長さが変わっています。そこで面積の計算と同じように、たてと横をかけましょう。
- \(3×4×1=12\)
高さは1cmです。ただ、1をかけても答えは変わりません。そのため、この直方体では面積の計算によって体積の計算をしているのと意味は同じです。
次に高さが1cmではなく、高さが3cmの直方体を考えてみましょう。以下のようになります。
この直方体では、\(3×4×1\)の直方体が3つ積みあがっています。高さ3cmのブロックであるため、高さを1cmではなく、以下のように高さ3cmで計算します。
- \(3×4×3=36\)
このように考えると、なぜたて・横・高さをかけると体積を計算できるようになるのか理解できます。
体積から辺の長さを計算する
なお体積が分かっている場合、辺の長さを計算できるケースがあります。例えば、以下の直方体の体積が16cm3のとき、\(a\)の長さはいくらでしょうか。
体積はすでにわかっています。また、横と高さもわかっています。そのためたての長さを\(☐\)とすると、以下の式を作ることができます。
- \(16=4×2×☐\)
そこで、\(☐\)の値を計算しましょう。以下の式に変えます。
- \(☐=16÷4÷2\)
この式を計算すると、たての長さが2cmになるとわかります。算数では、体積から辺の長さを計算することができます。
体積と容積の計算方法を学ぶ
私たちの身の回りにある物体は平面ではなく立体です。そのため、立体図形の大きさを計算できるようにしましょう。特に立方体と直方体の物体はたくさんあります。家のなかを見渡すと、立方体や直方体の物が非常に多いとわかります。
立体の大きさを表すのが体積です。体積を計算するとき、公式を利用しましょう。
また体積と似たがいねんが容積です。液体を容器の中にいっぱいまで注ぐとき、いくらの液体が入るのかを表すのが容積です。体積を計算できるようになれば、容積を計算することができます。
立方体と直方体を学ぶとき、同時に体積の計算をおこなえるようにしましょう。また、なぜたて・横・高さをかけると体積を計算できるのか理解しましょう。これらを学ぶことによって、体積と容積の計算ができるようになります。