小学算数では四角形と三角形を学びます。図形の問題では、面積を問われる問題がひんぱんに出されます。図形の広さが面積であり、公式を利用することで四角形や三角形の面積を求めることができます。一方で公式を覚えていない場合、面積を計算することはできません。

ただ、四角形には種類があります。例えば長方形の面積を出す公式と台形の面積を出す公式はちがいます。そのため、それぞれの公式を覚えなければいけません。

また、なぜ公式が成り立つのか理解しましょう。算数では公式を覚えて計算するだけではなく、理由を学ぶのも重要です。

そこで四角形と三角形の面積を計算する方法を解説していきます。また、公式が成り立つ理由も含めて解説します。

正方形や長方形の面積を計算する公式

図形の問題では、広さを求める質問が多いです。そこで、図形の面積(図形の広さ)を計算する方法を理解しましょう。三角形と四角形では、四角形の面積を計算するほうがかんたんです。そこで、四角形の面積の計算方法をさきに確認しましょう。

四角形の中でも、最も一般的な形が正方形と長方形です。正方形や長方形の面積を出す公式は以下になります。

  • 面積 = たて × 横

つまり、たての長さと横の長さがわかれば正方形や長方形の面積を出すことができます。例えば、以下の四角形の面積はいくらでしょうか。

正方形のたては2cm、横は2cmです。そのため、面積は\(2×2=4\)cm2です。また長方形のたては2cm、横は4cmです。そのため、面積は\(2×4=8\)cm2です。注意点として、面積では単位として2という数字を使います。cm2(平方センチメートル)やm2(平方メートル)、km2(平方キロメートル)などが面積の単位です。

なぜ面積の公式が成り立つのか

それでは、なぜたての長さと横の長さをかけることで面積を出すことができるのでしょうか。面積の公式が成り立つ理由を理解しましょう。

たて1cm、横1cmの面積は何平方センチメートルでしょうか。答えは1cm2です。

そこで、1cm2がいくつあるのか数えてみましょう。例えばたて2cm、横2cmの正方形では、1cm2の正方形が\(2×2=4\)つあります。また、たて2cm、横4cmの長方形では、1cm2の正方形が\(2×4=8\)つあります。

1cm2の正方形がいくつあるのかを考えると、なぜ面積の公式が成り立つのか分かります。1cm2の正方形を一つずつ数えると面積が出ます。ただその方法では時間がかかるため、たての長さと横の長さをかけます。

平行四辺形の面積の計算方法は同じ

それでは、ほかの四角形はどのようにして面積を計算すればいいのでしょうか。平行四辺形については、面積の計算方法が先ほどと同じです。以下の公式を利用します。

  • 面積 = 底辺 × 高さ

正方形や長方形と同じように、横(底辺)とたて(高さ)をかければ面積を出すことができます。理由としては、平行四辺形の面積は正方形または長方形の面積に変えることができるからです。例えば、以下の平行四辺形の形を変えると正方形になります。

図形の広さを表すのが面積です。平行四辺形と正方形(または長方形)では面積が同じであるため、平行四辺形の面積を出す公式と正方形や長方形の面積を出す公式は同じです。

上底と下底を利用し、台形の面積を計算する

一方、台形の面積はどのように計算すればいいのでしょうか。四角形の中でも、台形では特殊な公式を利用します。以下が台形の面積を出す公式です。

  • 台形の面積=(上底+下底)× 高さ ÷ 2

なぜ、台形の面積を求める公式では上底と下底をたすのでしょうか。この理由として、同じ台形を2つ使うことで平行四辺形を作ることができるからです。

上底と下底をたすと、平行四辺形の横の長さになります。そこで横とたてをかければ、平行四辺形の面積を出すことができます。ただ、平行四辺形の面積は同じ形の台形を2つ利用しています。そこで平行四辺形の面積を出した後、2でわれば台形の面積を出すことができます。

対角線を利用し、ひし形の面積を計算する

四角形にはひし形もあります。ひし形の面積を出すときについても、特殊な公式を利用します。

  • ひし形の面積 = 対角線 × 対角線 ÷ 2

なお、対角線が垂直に交わる場合、すべての四角形でこの公式を使うことができます。そのため、すべての辺の長さが等しくなかったとしてもこの公式を利用して面積を出せるケースがあります(下図の右側)。具体的には、以下の四角形で先ほどの公式を利用できます(下図の左側がひし形)。

なぜ、この公式が成り立つのでしょうか。ひし形の対角線というのは、以下のように長方形のたてと横の長さとみなすことができます。

※左の図:ひし形、右の図:対角線が垂直で交わる四角形

つまり、対角線と対角線をかけるというのは、たてと横をかけることで長方形の面積を出しているのと意味が同じです。また重要なのは、●はそれぞれ同じ図形です。また、■はそれぞれ同じ図形です。そのため長方形の面積を出した後、半分にすればひし形の面積になると分かります。

底辺と高さを使い、三角形の面積をだす

次に、三角形の面積を出す公式を理解しましょう。三角形の面積を出す公式は以下になります。

  • 三角形の面積=底辺×高さ÷2

三角形の面積を計算するとき、「どこが底辺でどこが高さになるのか」をみきわめるようにしましょう。高さというのは、底辺に対して垂直の線をいいます。2つの線が直角の関係になっているかどうかを確認しましょう。

三角形の面積の公式が成り立つ理由

次に、三角形の面積の公式が成り立つ理由を解説していきます。なぜ、三角形の面積を出すときに2でわるのでしょうか。

底辺と高さをかけると、平行四辺形の面積を出すことができます。以下のように、同じ形の2つの三角形を利用することによって、平行四辺形を作れるのです。

ただ、わたしたちが知りたいのは平行四辺形の面積ではなく、三角形の面積です。平行四辺形の面積では、同じ形の2つの三角形を使っています。そこで、平行四辺形の面積を半分にしましょう。そうすれば、三角形の面積を出すことができます。

四角形と三角形の公式を利用し、面積を出す

図形の面積を出すとき、公式を利用しましょう。面積を出すとき、最もかんたんな公式が正方形と長方形です。たての長さと横の長さをかけると、正方形や長方形の面積を出すことができます。平行四辺形についても、同様に底辺と高さをかけることで面積を得られます。

ただ、台形の面積を出すときは特殊な公式を利用することになります。公式を覚えていないと台形の面積を出すことができません。そのため、必ず覚えるようにしましょう。またひし形については、対角線を利用することで面積を計算できます。

四角形の面積を出す公式を理解すれば、三角形の面積を出す公式を覚えやすいです。三角形の場合、底辺と高さをかけたあと、2でわれば面積を出すことができます。

図形の面積を出すとき、公式を利用しましょう。またなぜ公式が成り立つのかを理解すれば、算数の計算をしやすくなります。